パナソニック株式会社ほか1名とともに開発したView-esTをプレスリリースしたのは2021年1月でしたが、それから約3年半が経ちました。この技術を応用したプロジェクトである歌舞伎町ミラノザは2023年春に完成して1年余となり、大変舞台が見やすいと好評を得ております。もう一物件、この技術による設計支援をさせていただいたアリーナが湾岸に完成しました。

View-esTを用いて、弊社が設計または設計支援を行ったプロジェクトは建設中も含め7物件に達し、この技術に興味をお持ちになり依頼をいただいた関係者は15者以上となりました。

 思えば五里霧中でラムサを創設して、観覧施設におけるサイトライン等見え方における問題提起を10年弱続けてきましたが、その間にも客席からの見え方に対する社会の(文字通り)眼が年々厳しさを増してきたように思います。View-esTを世の中に送り出すことができたのはタイムリーであり、View-esTは細かい要求にも答えることのできる数値評価システムとして信頼されたことを大変嬉しく思います。

 ラムサの目標とするところは、チケットを買った観客が、性差や体格差などの多様性(ダイバーシティ)に関わらず公平に、観劇、観戦等がストレスなくできる環境の実現です。

 この目標の実現は技術的には近づきつつあると考えております。View-esTと現在まとめつつあるUROKO理論/方式/座席配置 とを組み合わせることで、従来の観覧施設の収容人数を減らすことなく、成人の男女が半数ずつランダムに組み合わさった状態における女性の95%がストレスを感じることなく舞台を見ることができる観客席の計画が可能になります。運用で座席用にクッションなどを提供する組み合わせれば、身長120cmの子どもが混じっても100%舞台等がみえる対応が可能になります。

いましばらくお待ちください。