ウロコ理論 ウロコ方式 とは ラムサが提唱している設計概念です
この方式による座席配置と 観客目線の数値検証を併用することにより、小柄な人(女性等基本的に眼の位置が低い人)もプレイ中心部が確実に見えるようになります
ウロコである座席がパーセンテジが高いほど、小柄な人が見やすい可能性が高まり、
すべての座席がウロコである客席は、小柄な人がどこに座っても、見やすい確率が高まります
その断面設計と座席配置は決して容易ではないので、そのノウハウは業務の中で提供しています
ウロコ方式は、
ウロコ方式:ウロコ理論に基づく観客席の設計方法 千鳥配置を拡張したものともいえますが、中央ブロック以外の全てのブロックに応用できます また千鳥配置にすれば中央ブロックが見やすくなるという安易な考えは否定しています
ウロコである:特定の座席がウロコ理論を満たしている状態にあり、ウロコ状態にあること
ウロコ理論 とは
ある座席から、演技中心にある注視点に対し、高い眼高の観客から1列前の観客の頭越しの視線(頭間視野)が通り、
かつ低い眼高の観客から2列前の観客の頭越しの視線が通るとする。
このとき、ある座席からプレイ中心方向を含む頭間視野が確保されている時、その座席はウロコ状態にあると定義する
この二つの条件が確保されていない時、例えば1列前の頭越しよりも上に手摺等が見える場合は、ウロコ状態は成立しない
ウロコ状態の座席からは、
高い視点からは注視点と同じ距離と高さ以上にある舞台上の点がすべて見え、
低い視点からは注視点と同じ距離と高さ以上にあり、かつ頭間視野の範囲が見える
言葉の定義
プレイ中心:その演目または競技において、主役の演技がもっとも頻繁に行われる舞台上の場所、一般的には舞台中心軸上で、舞台先端(つら)が最も望ましく、3mから2間(3.6m)に譲歩した範囲
プレイ中心領域はプレイ中心から約半径3m(演目・競技により拡張する場合がある)
その高さは、舞台面等の床面から2mの範囲(場合により3mまで拡張)
クラシック音楽においては、指揮者やソリストが立つ場所、
ポピュラー音楽においては、メインボーカリストが立つ場所
野球などプレイの中心が明確な運動競技においては、バッテリー間や投手の位置など
ボクシング、相撲等の格闘技では、勝負が行われる場所の中心
注視点: サイトラインのターゲットとなる点 中心において舞台等の床面より高さ1.5m
小柄な人:壮青年男性の平均的な身体寸法より、眼高が7cm低い人を指す。壮青年の女性の約2/3がカバーされる確率
高い眼高:客席段床の床面から、壮青年男性の平均的な目の高さ 座位と立位があるが、
人種により異なり、座位の場合は椅子の形状により異なる
高い視点:高い眼高における眼の瞳孔の位置 通常は両眼の間だが、左右のいずれかを用いることもある
低い眼高:高い眼高から8cmまたは7cm低い位置 (椅子の座面が一定の条件を満たすときは7cmでも成立する)
低い視点:高い眼高における眼の瞳孔の位置 通常は両眼の間だが、左右のいずれかを用いることもある
頭間視野:客席の具体的な座席配置がある時、舞台方向に向かったときに、直近の席(通常は前列)の二者の頭の間に確保される視野で、
両眼で見た場合、右目か左目の一方の単眼だけで見える視野を含む
視線が通る:鑑賞者の視点と、注視点の間に、光の媒体となる空気(視覚の障害にならない程度の浮遊物を含む)以外の障害物がないこと