残念ながら近年国内で完成した公共ホールの大半に、舞台がよく見えない客席ができています。

劇場設計にはサイトラインという概念があります。これは客席に座った観客が前の人の頭越しまたは肩越しに舞台が見えるように正しく設計することであり、根幹的な設計技術ですが、今日でもホール設計の経験が豊かといっている大手設計事務所ですらよく理解できていないのが実情です。

ラムサでは客席設計においては、サイトラインすなわち客席からの舞台の見え方を図面等から科学的、客観的かつ数値的に分析し、検証する手法を確立し、受注した案件では実践しています。

この技術は、建設された劇場の現状把握にも適用可能できます。舞台の見え方に不具合のありそうな劇場に対する現状把握や診断として、もしくは設計中の劇場に対するセカンドオピニョンとして役立てることもできます。かつて建築の構造設計は一連の不正な設計が露見したのち、二重の確認審査が必要になりました。しかし見えない客席を設計しても現状では設計瑕疵が問われません。これは考えてみればおかしなことです。ラムサではサイトライン分析のみでも、実費相当の費用で受けることもできますので、気軽にご相談ください。建設してしまってから不具合に気づき、多くの代償を払って手直ししたり、直せずに売れない席として諦めらめたり、観客を落胆させるよりはるかに望ましいことに思われます。