劇場・ホール・音楽堂・講堂等の企画・設計・監理・コンサルティング

設計部門

業務内容 (特記なき限り文中 劇場 はホールその他に読み替え可能です)

劇場設計 ホール設計 音楽堂設計 劇場企画 ホール企画 音楽堂企画 劇場コンサル ホールコンサル 音楽堂コンサル  劇場改修 ホール改修 劇場調査研究 等 展示施設設計 教育施設設計

■主な実績

  • THEATER MILANO-Za 2022年開業 約900席 この劇場は弊社が関わる前に、久米設計様と劇場コンサル3社様による実施設計が終わり、建設が進んでいました。発注主である東急電鉄様(現東急様)が、代表が前職で担当したORBでのことを覚えていてくださり、2020年4月あるご相談を持ち掛けられました。お話では、今の設計内容に不満があるので主要構造体や床面積を変えない範囲でのオルタナティブとなる案がほしい。ただし許された時間は極めて短いという内容でした。 ただならぬ事態とは察しましたが、改善案を複数作成させていただいたところ、その中の一案をぜひ採用したいということになったのです。それは斬新な案でした。弊社は困難な役割を担うことを覚悟いたしましたが、鉄骨の製作期限が迫る中で、舞台と客席の範囲の設計を一からやり直し、そのまま実施設計になっても手戻りのないような変更用の設計案を弊社で作成し、依頼主に提出いたしました。弊社代表は大手設計事務所での設計経験が豊富にあったのでできたことでした。建築基準法上の設計者である久米設計様には、弊社が作成した基本設計図書(視覚設計、段床のレベル設計、客席椅子の仕様書作成、舞台機構の仕様書、舞台各部の仕様、基本的な建築音響設計なども含む)が渡り、これをもとに、大掛かりな変更実施設計を行っていただきました。その後も弊社は、久米設計様と詳細な協議を行いながら、完成まで進めさせていただきました。施工は清水建設様でしたが、施工図まで作成しておられたので、変更作業は大変なご苦労であったと思います。弊社では全客席の視覚的検証を行い、View-esTによる数値検証をはじめ、各部のCGを作成して、顧客とぎりぎりまで試行錯誤を繰り返しました。  サイトライン等見え方に関わる範囲については弊社の業務範囲にさせていただき、失敗しない自信はございましたので仮に完成後に舞台の見え方に不具合があれば、その改修費用は負うと宣言しておりました。  幸い完成後は手厳しい演劇ファンからも好評を得られたと考えております。 お話が最初にあった時は、舞台には機能的な課題が多々積み残されてございましたが抜本的に見直しましたが、それ以上に客席に問題が多かったのです。全体的に舞台から遠く、2階席のサイトラインも悪かったので、一流の劇場としてはいえないものでした。当初はサイドバルコニーを持たない2層客席でしたが、3層客席に変え細長い3層のギャラリー状のサイド席を作りました。結果的には3.5層というべき珍しい客席構造になり、舞台と客席が非常に近く、一体感に優れた劇場になりました。収容人数も当初は850席前後でしたが、座席配置(シーティング)を根本的に見直しました結果、基本が約910席前後(850に対し7%増)となりました。 プロセニアム(舞台額縁)を可変とし、座席も取外し可能なものとしましたので、ライブ等音楽利用時はワンボックスとなり最大1100席前後(910に対し20%増)まで人数が増やせることになりました。これは大変喜ばれております。主階の座席はどこも取外しができる提案が採用されたので、自由な演出が可能になっています。  この劇場はほぼ正方形の吹抜け空間を持ち、現代の大芝居(芝居とは江戸時代の劇場の呼び名)とも言えるものになっています。歌舞伎の公演も行われました。このようにして劇場内部の機能と形状はほぼ全部で決めさせていただきましたが、このように舞台および客席の基本形状や各種仕様を劇場コンサルが決定することは、日本ではあまり事例はありませんが、欧米では普通のことであり、舞台の機能や、客席の見え方等、建築設計者にはリスクが多い範囲を、専門的知見を備えた劇場コンサルが分担するという望ましい形が実現できたと考えております。もちろん建築設計者として力量を発揮できる劇場客席の色や素材などの内装デザインは、久米設計様にお任せしました。なお、地上からのアプローチ、ロビー等のフロント部門、楽屋部門には弊社は関わっておりません。
  • THEATRE ORB  2012年開業 1972席 この劇場は、代表が前職の日建設計在籍時に劇場の舞台と客席部分(ロビー、楽屋等は別)を担当いたしました。海外からのミュージカルの招聘公演を主体とする大型劇場で、国内では初めてのチャレンジだったかと思われます。巨大な超高層複合ビルの高層部に位置するため、さまざまな構造上の制約があり、大変苦労しました。なかでも客席部の基本形状が、劇場のふさわしい扇形ではなく、細長い箱型すなわちシューボックス型と言えるようなものであることに大きな課題がありました。そのまま作ってしまうと、客席と舞台が遠くなり、劇場に必要な親密性を得ることができないので、3層構造とし、舞台を囲むようにサイドバルコニーを設けました。その結果、不利な条件の構造体であったにもかかわらず、大型劇場としては国内ではトップクラスの【舞台が近い劇場】が実現できました。その3階席のみならず、サイドバルコニー席も、どこからもよく見え、舞台が近く、一体感のある、空間的親密感の高い席となっています。舞台も間口が12m位の演目から20mまで、プロセニアムの高さも約8mから14mまで対応できるほど可変性が高く、機能的で、海外からツアーで訪れるカンパニーからも、高い評価を得ていると聞きます。日本を代表する劇場の地位を確立できたのではないかと思います。
  • LA LA ARENA TOKYO BAY 2024年開業 約10000人のアリーナ 清水建設様の設計施工です。View-esTを共同開発したパナソニック株式会社様への協力として、主に視覚設計の検証と助言を中心に設計者を支援しました。5000人から数万人規模のアリーナにおいては、スポーツ利用時と、音楽等のイベント利用時では、観る対象の位置が変わりますので、多面的な検討が必要になりますし、コンサート時における視線障害の原因について多くの知見が必要です。劇場とも共通しますが、多くの間違いは観客席の段床勾配を前方の段から上げすぎてしまうことです。この間違いは多くの事例に見られます。各段は単に高くすればよいというものではなくて、勾配の増分が均等になるように断面を決定しなければならないのです。 View-esTを用いた緻密なシミュレーション結果により、フィードバックを繰り返した結果、理想に近い断面計画に到達できたと考えています。この検証はミラノザ同様、体格差がある場合も考慮しました。平面的にもこのアリーナは、国内ではおそらく珍しい(英国では普通)U字形平面のアリーナです。この形式はコンサートモードでも座席のロスが少ないため、賢明な選択であったと思います。さらにこの平面形状の特徴は、エンドステージモードにおいても、席の正面から舞台が大きく外れた席が少なくなることで、弊社の助言によりこの特質をさらに高めることができたと考えています。パナソニック様では高品位のVRを作成することによって設計の可視化を図り、関係者へのプレゼンテーションを行い、事前のイメ―ジ共有を行ったことが、極めて効果的だったと聞いております。成果としては、競合も多い1万人規模のアリーナの中でも優れた「見え方」が実現できたと考えています。

対象範囲

  • 商業劇場
  • 劇場・ホール(公共・教育)
  • 音楽堂・音楽ホール・コンサートホール
  • 舞台芸術センター
  • 多目的ホール
  • 講堂(レクチャーホール)教育施設
  • 教会、講堂等の宗教施設
  • 会議場、イベントホール
  • アリーナ(特に観覧席と演出空間等に係る部分)
  • スタジアム(特に観覧席と演出空間等に係る部分)
  • 演芸場、映画館、プラネタリウム、野外劇場、野外音楽堂その他
  • 各種展示空間(博物館・美術館・教育研修施設

■対応するプロジェクト・フェイズ(段階)等

  • 時系列的には、企画段階から実施設計段階、工事施工・監理段階、完成後、維持管理段階、修復・改修、再活用・転用など全ての段階での素案から詳細計画までの業務が可能です。

■業務に対する立場と姿勢

  • 立場的には、設置者・運営者側に立ってのコンサル、建築設計者への協力、監理者としての助言、施工者への協力等のいずれも可能です。
  • 設計者の補完となる、または他社コンサルの補完となるような、視覚設計技術における支援に限られた業務でも可能です。
  • 劇場の設計は極めて高い専門性が要求され、幅広い分野の知識が必要です。劇場の設置者や建築設計者を支え、より高い性能、価値、創造性の実現を担保したいと考えます。

■調査・研究

 世界的に見て日本の劇場・ホールを取り巻く社会状況や舞台芸術の置かれた状況は、長い歴史と豊かな文化的伝統があるにもかかわらず、それが十分に活かされておりません。人口減少社会に入り、日本の未来は厳しいものに見えますが、状況を見据えることにより、前向きな対応も可能になります。海外からの主催者、人材、観客等を広く受け入れることによって、多くの需要がが見込まれます。多角的に持続可能な社会への対応を進めなければなりませんが、バリアフリー・ユニバーサルデザインへの対応も欧米より遅れていました。そのようなことから弊社では積極的に国内外の動向調査や研究を行い、技術向上を行っています。弊社は、国内外の最新情報を提供できるだけでなく、国際競争力のある戦略を提供いたします。

  • 最新の劇場・ホール設計技術について
  • 類似事例調査
  • 観覧施設の視覚設計技術の研究および提供に力を入れています。

■劇場計画

  • 全般的に対応しております。

■視覚設計を主とした客席・観覧席等のデザイン

 鑑賞空間は建築家の美的才能が発揮できる劇場・ホール等の中心的空間ですが、サイトラインの確保、建築音響上の課題達成、避難上の法令のクリアなど設計技術上の難易度が極めて高い空間とも言えます。それは記憶に残る感動を生む空間でもあり、空間的な親密さが不可欠です。体を接して長時間鑑賞者が過ごす座席周辺の設計も簡単ではありません。弊社では客席デザインの最先端の発想を提供し、必要に応じ、弊社独自の視覚設計を用いた見え方の設計、3Dシミュレーション等により、設計・技術支援を行うとともに、完成までフォローします。

 ダイナミックな観客席空間は、壁や天井の意匠に目が行きがちですが、根本的には舞台から発せられる音と光(いずれも波動)を、最も効率的に聴衆/観客に届けるための装置であることがその主たる機能です。音に関しては音響の専門家がおり、高度な研究が進んでいます。ところが光を介した視覚に関しては、なまじ見えるがゆえに分かって気になって実はわからいないことが多かったのです。主催者の方や劇場コンサル、劇場設計の経験がある方でもこの傾向があります。ある劇場コンサルが関わった豊島区の劇場が、完成後に苦情が殺到し多くの座席を撤去せざるを得なかったり、国を代表するオペラハウスでも、バルコニー席からオーケストラピットが見えなかったり、この国には残念な状況が実に多く見られます。弊社はこのような不幸なことが今後起きないための支援をすることがミッションであると考えています。

 このような現実を改善することを目的として、弊社代表は35年にわたり視覚設計技術の研究を行いその確立を図ってきました。その第一は、評価する対象を明確にすることでした。その要素は多くあります。劇場でいえば、舞台に対する各座席がもつ幾何学的な属性が多くありますので、これを計測し数値化する方法を確立しました。【見える】ということについては、ちゃんと見えているかどうか、いわゆる【サイトライン】を、焦点(フォーカルポイント)の側からではなく、観客の眼の側から正確に数値評価する方法の確立。また観る対象と、観客との距離に関する【親密性】の数値評価。さらには舞台と観客席との関係を示す【一体感/一体性】を数値化する方法の確立など。これらを正しく、効率よく評価するための計測手段となる方法についても開発しました。弊社はいわゆるベンチャー企業でもあり、開発し登録した特許技術は2025年10月時点で8つあり、今後も増えていく見込みです。

弊社独自の技術としては、高度な数値シミュレーションである View-esT、 身体寸法の多様性に対応した観覧席の設計手法といえる UROCO、一体性・親密性の計測・評価方法、両眼視野を念頭においた3D作成、3次元の視界の評価方法といえるView-Globe 等、さまざまなTOOLを開発し持っています。いずれも劇場にとどまらず、アリーナ、スタジアム規模まで対応することが可能です。

  ■View-esTの紹介はこちら  【作成中です しばらくお待ちください】

   https://ramsa24.com/?page_id=2784&preview=true

  ■UROCO理論の紹介はこちら  【作成中です しばらくお待ちください】

   https://ramsa24.com/?page_id=2760&preview=true

■舞台計画

 全般的に対応しております。クライアントの要望をふまえ、基本性能を重視した合理的な計画を作成します。多様な演目、演出に対応できる舞台計画を提案します。

■フロント側 市民利用諸室の計画

 ご要望があれば対応しております。

■建築音響

 防振・遮音計画、室内音響計画について計画・設計支援・助言することができます。高度なシミュレーション、測定等は音響設計事務所の協力によります。

■防災計画

 舞台での事故は時に重大なものになります。危険を予測し事前にリスクを除去します。また鑑賞空間(客席・観覧席等)についても、大人数が収容されること、高所に位置すること、高い天井等により、通常の建築以上に高い安全性が求められます。大地震等の大災害にあっても、速やかに機能回復・活動再開し、復興の起点となる劇場をめざします。弊社は小人数ながら大設計事務所並みの経験と知識を持ち、通常の劇場コンサルとは異なるレベルの防災を提供することができます。

■施設の複合化

 複数の劇場・ホールが複合する場合や多用途の施設と複合する場合は、単独・単一の劇場の場合と異なる様々な課題が生じます。複合化には長所も短所もあります。弊社代表は長年再開発にもかかわった経験があり、再開発プランナーの資格を持っておりました。設計延べ面積100万㎡を超える弊社代表の経験・知識を活かし、早期における課題抽出、打開策の提案、助言等を行います。

■アクセシビリティ・UD・GI・多様性への対応

 車椅子席の配置計画を含む障害者対応、視覚障害者対応、聴覚障害者対応、その他の障碍者対応、ユニバーサルデザイン、性差、身体の多様性や、外国語に対応した劇場の計画は得意としております。

■劇場診断・改修計画作成

 簡易な調査により既存施設の診断を行います

  • 定性的な劣化診断
  • 既存法令への適合性診断
  • サイトライン等、見え方の診断
  • 舞台・客席・天井・手摺・開口部等についての安全性診断
  • アクセシビリティ(身障者対応・ユニバーサルデザイン等)診断
  • 既存ホールの分析・診断・改修計画案の作成

■一般建築の設計について  

 劇場・ホール等以外の建築の設計についても対応いたします。個人の音楽堂、音楽スタジオ等を含む住宅も歓迎しますし、その部分のみの技術協力もいたします。繁忙度によりますが、数千平方メートル位の建築であれば、住宅、事務所、学校、展示施設、店舗等も設計いたします。代表個人は特に実績には載せておりませんが、図書館、展示施設、教育施設についての設計経験も豊富にあります。

■使用言語

 日本語、英語による意思疎通が可能です。それ以外の言語では通訳又は翻訳者を介してコミュニケ―ションします。海外チームとの協働もできます。

■業務報酬について

 報酬額は、所要人件費・経費の積上げにより、国交省令和6年度告示8号、もしくは基礎的な調査・研究に要した費用から算定させていただきたいと存じます。

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